📚論点思考 - 内田和成(2010)
- title: 論点思考 - 内田和成の思考
- authors: 内田和成
- date: 2006-02-11
- publisher:
- url: http://www.amazon.co.jp/dp/B009RO867O
- refs.
notes #
- ブックオフで1000円くらいで購入. <2022-06-19 日>
- この本の欠点は具体例がマーケティングやセールスなのでうーばー配達員にはまるで心に響かない.
因数分解という単語 #
直接の用語ではないが, 因数分解という単語を内田さんはよく使っている気がする. これには MECE に構成要素を細かく砕いていくというイシューアナリシスの意味合いがありそう.
Literature Notes #
今までコンサルタントの頭の中にあったイシュー分解の名人芸を解説!
考えなくていいことを捨てる技術 #
論点設定を正しく行うとこで考えるべきことを限定して, 考えなくていいことを捨てることがメリット.
優秀なコンサルタントは課題をすべて解決しようとしない. 課題を一つに絞りそれを解決することに力を注ぐ. 大事なのは 最優先を決定すること.
to. 🎓センターピンを取るとは論点思考
論点思考4つのステップ #
- 論点候補を拾い出す
- 論点を絞り込む
- 論点を確定する
- 全体像で確認する
4つのステップすべてが必要なわけではないし順番に行うわけでもない. 必要なものを実行する.
まずやらなければいけないのは1. 論点候補をリストアップすること. 優先順位をつけるためにはまずは列挙が必要, ここが出発点.
次に列挙した論点を絞り込んで最重要な論点を定義する. 2と3は試行錯誤して言ったり来たりする.
ベテランは本当の論点はなにかを考える. 初心者はいきなりインタビューをしたりして論点の整理と構造化をはじめる.
まずは腰を据えてii本質を考えること. Rootとなる論点が本質でなければ下層のイシューツリーも些末になる.
イシューツリー #
論点設定とはを大論点を定義すること. 大論点とは, いくつかある論点の中のゴールを規定する最上位論点.
論点の整理とは, 大論点に答えるために掘るべき筋と単位を中論点/小論点に因数分解し, 構造化すること.
これから仮説を立てて, 検証と反証をしていくための道標. 縦の上下関係と横の因数分解で論点の全体像が定義される. これをイシューツリーという.
論点と現象を見極める #
観測事実や現象をそのまま論点としないこと. (一般的な言葉としての)問題点は, 観測事実や現象の意味で利用されていることに注意.
観測事実や現象の背後にあるなぜ?を深堀すると論点が見える. そして論点の設定によって取るべき次の一手は大きく変わる.
論点は動く #
- 論点は人によって異なる.
- 誰にとっての論点を解くか?
- 論点は時間や周りの環境によって変化する.
- 分析, 作業, 議論で別の論点が見える.
優先順位をつけるときのポイントは2つ #
論点を絞り込むときのこつ.
あたりをつける #
あたりをつけるとは例えば釣りをするときに釣り場でちょっとずつ移動して魚が釣れるポイントを探るように,あたるマーケットを探る. ここで必要なことは 仮説 を持つことであり, あたりをつけるという行為は仮説思考そのもの.
これこそが取り組むべき問題ではないか?この問題を解決できるならばほかは犠牲にしていい, という優先度の高い論点をえぐり出すのがアタリをつけること.
網羅思考ではいつになってもあたりをつけることが上達しない #
あたりをつけようと意識した上で様々なケースを経験すると, 自然とあたりがつくようになる.
はじめのうちは失敗する. しかし, 経験から学べることが多い. 逆にしらみつぶしに, すべてを網羅的に試すといくら経験を積んでもあたりの立て方を学ぶことはできない.
ref. イシューアナリシスの上達方法
芋づる式アプローチ #
なぜを5回繰り返すのはあたりをつけるための効果的な技術.
これは なぜなぜ分析 かな?
筋の良し悪しを見極める #
問題設定で厄介なのは, その論点の周辺に偽の論点や中論点が潜んでいること.
- 解決できるか, できないか.
- 解決できるとして, 実行可能か.
- 解決したらどれだけの効果があるか.
論点を絞り込むとは, 考えなくていいことを捨てる技術
まずそもそも解決できるかできないかを見極める. 解けない問題にチャレンジしても時間と労力のムダ. 白黒がそもそもつくのか?
学問的には難問に答えることが重要でもビジネスは成果を出すことにこだわる #
ぼくたちコンサルタントは解決できるかどうかにこだわる. それはビジネスでは難問をクリアすることよりも成果を出すことのほうが重要なので.
(🤔純粋数学とは大違いかも…結果を出さないでお金をもらっていたら詐欺).
さらには, 解ける確率が低い論点も捨てる.
さらに, 解決が容易なものから着手する. 大論点から着手するというのは王道だが場合によってはコストの低いものから着手でも成果がでればいい(ただし解いたところでバリューが出ない問題は捨てる).
(仮説の)「筋がよい, 悪い」とは #
コンサル用語での「筋がよい, 悪い」とは感覚的な表現.
この表現は答え, 仮説に対して用いることが多く, その答えよる成果, 得られるバリューの大小を指す.
実行するのが容易であり, 成果が大きいもの. (kind of. 解の質を上げるよりイシューの質 - 安宅和人)
結局この上達も, つまり筋のよしあしの判断はロジカルなアプローチで見極めるよりも経験を積んで見極めを上達させるしかない. 例えばあの人へのインタビューが効果的とか, 事前のこのサイトで調べるとか, 実際に解いてみてはじめてわかるので諦めポイントを決めるとか. これらはフレームワークというよりも感と経験.
cf. 網羅思考ではいつになってもあたりをつけることが上達しない
あれもこれもはなにもできない #
言い換えれば, 経験を積むことによって早めに論点を消すことができ, かなり早く正しい論点を見極めることができる.
戦略とはすてること.
経験があたりの精度を高める #
一般的にはフレームワークなどの分析手法を当てはめて精度があがると考えられているが, それは逆.
あたりをつける経験を積むと精度が上がる. 分析手法をつかうと構造化できるのではなく, 分析結果を人に伝えるために構造化するときに役立つ程度. なによりも経験を積む.
プローピング #
コンサル用語. 仮説を立てるときの手法. 針で探りをいれるというのが元の意.
3つの方法がある.
- 質問して相手のはなしをきく.
- 仮説をぶつけて反応を見る.
- 現場を見る.
cf. ユーザーインタビュー, 顧客開発.
イシューツリーもMECEも現場では使われてない #
論点を構造化するときは各々独自の手法をつかう.
拾い出した論点を整理するとき, いわゆるイシューツリーとかMECEとか, 実は使わない(衝撃!w). そしてBCGのシニアコンサルタント10人にきいてもつかってない(衝撃!w).
しかし, それらのようなこと抽象化やグループ化は行っている. そしてやり方は各自が独自の方法でやっているのが現実.
虫食い状態のイシューツリーを仮説検証で埋めていく #
実務では, 大論点, 中論点, 小論点と放射状伸びるような(教科書的な), きれいなツリー構造になることはまれ. きれいな構造化にはこだわらなくていい. だいだい大論点なのか小論点なのかわからないまま, パラパラと論点が浮かび上がってくる.
虫食い状態のツリーでいい, あとは仮説検証をしながら徐々に穴を埋めていき構造把握をしていく. はじめからきれいなツリーを描こうとしなくていい.
for Anki #
論点思考のメリットは何ですか? #
考えるべきことを限定して, 考えなくてもいいことを捨てるところ.
内田和成さんの論点思考でいう4つのプロセスはなんですか? #
- 論点候補を拾い出す
- 論点を絞り込む
- 論点を確定する
- 全体像で確認する
コンサル用語でいうあたりをつけるとはどういうことですか? #
優先順位を決めるときに, 仮の答えを立ててみること.
コンサル用語でいう筋の良し悪しとはなんですか? #
仮説を解いたときにそれが解きやすくかつ解いたときの価値が大きいと筋がよい. 逆は筋が悪い.