📚イシューからはじめよ - 安宅和人
- title: イシューからはじめよ
- authors: 安宅和人
- date: 2010-11-24
- publisher: 英治出版
- url: http://www.amazon.co.jp/dp/B00MTL340G/
- descs.
- オーディオブックと書籍の両方で購入.
- 書籍はメルカリで売った.
- <2022-06-07 火 16:07>Kindleにて再度購入(3つ目w).
感想 #
仮説思考の鉄板本, ベストセラー. いろんな書籍はそれぞれの著者がそれぞれの属するコミュニティの用語での仮説思考の写像.
もちろんこの本も独特の用語は存在する. これをまず読んでおけばハズレはない.
Jargons #
イシュー(issue) #
issue とは, 以下の両方を備えるものを言う.
- a matter that is in dispute between two or more parties
- 2 つ以上の集団の間で決着のついていない問題
- a vital or unsettled matter
- 根本に関わる, もしくは白黒がはっきりしていない問題
一言でいうとケリつけるべき白黒の問題.
イシュードリブン(issue-driven) #
自分が今取り組もうとしている課題が本当に解くべき課題なのかを再度確認して, 最終的なアウトプットのインパクトを強める.
ref. イシューからはじめよ-知的生産の「シンプルな本質」 - THINK CIRCUIT
素早く何度でも回転させることが肝要.
書籍の4つの工程の中のひとつのだが, 4つをまとめた抽象概念としてつかってもいいかも(書籍では言葉は定義してないかな).
イシュー度(issue level) #
How critical you answer the question in your content.
自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ.
仮説が正しかったときのインパクト. 課題の質.
解の質(answer quality) #
How clearly you answered the question.
そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い.
仮説が正しいかどうかの確度.
価値(value) #
解の質とイシュー度の掛け算.
= インパクト x 確度.
No-value zone #
No-value zone. イシュー度の低い仕事はそもそもなんの価値もない.
犬の道 #
一心不乱に思いつくことをガムシャラにやる.
イシュー度の低いことを根性と努力によって量をこなして価値を積み重ねる. しかし100円の利益をいくら積み重ねても1億には届かない.
脱・犬の道=根性に逃げないこと. 徒労感が残るだけ.
そして犬の道を進み続けると駄目な人になる(クソ野郎の仕事術).
labor=労働の語源はslave #
働いたからとか, 努力したからとかはイシュードリブンの世界では関係ない. バリューを出したかが重要.
限界まで働く, 労働時間で勝負するというのはレイバラーの思想
Literature Notes #
圧倒的に生産性の高い人の特徴は仮説思考をしている #
仮説思考とはすなわち
- イシュードリブン
- まずはじめにイシューありき, イシューから始める.
- 答えを出すべきイシューを見極める.
- 仮説ドリブン
- イシューを小さく砕き、ストーリーの流れを整理する.
- ストーリーを検証するために必要なアウトプットのイメージを描く, 分析する.
- アウトプットドリブン
- 骨格を踏まえつつ段取り良く検証する.
- メッセージドリブン
- 論拠と構造を磨きつつ、報告書や論文をまとめる
悩むことと考えることの違い #
悩むとは, 答えがでないという前提を元に考えるフリをすること. 考えるとは, 答えが出るという前提の元に, 建設的に考えを組み立てること.
人生の価値観のような, 答えが出る出ないよりも向かい合い続けることに価値があるたぐいの悩みもある. しかし大抵の悩みには価値はない.
特に仕事とは価値を生み出すものであり, 変化を産まない悩みはムダである.
ref. 悩まない。悩んでいる暇があれば考える - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing
イシューはなにはともあれ言葉にする #
イシューの言語化. 人間は言葉にしないかぎり概念をまとめることができない.
言葉にすることを徹底しよう.
言葉に落とすことに病的なまでにこだわろう.
常識を捨てる #
- 問題を解くより, 問題を見極める
- 解の質を上げるより, イシューの質を上げる
- 知れば知るほど知恵が湧くより, 知りすぎるとバカになる
- 1つひとつのことを速くやるより, やることを削る.
- 数字の桁数にこだわるより, 答えが出せるかにこだわる.
productivity = output/input #
Issue-driven: Kazuto Ataka at TEDxUTokyo - YouTube
TED動画がある. 書籍の前にこれを読んでもいい.
- productivity = 生産性とは
- output / input
- generated value / invested time and effort
- 成果/投下した時間と労力
生産性とはどれだけインプットしてアウトプットするか.
価値とは, 解の質(answer quality) x イシュー度(issue-level)
用語について頻繁に, 英語ではxxxと表現すると言っているがこの考えは英語圏からの輸入なのか?だとしたら原著が読みたいw
イシュー度の低い仕事の価値はない #
確実にそれを達成できたとしてもそれを達成したところでリターンが小さいと意味がない.
宝くじだって300円が当たる可能性は1億が当たる可能性よりもずっと高いが300円があたったところで… というカンジだ.
しかし世の中の多くの人は解の質のほうをイシュー度よりよも重要視する. いかなる難しい問題が解けたところでそれによる価値がなければご苦労さんである.
イシュードリブン - 「解く」前に「見極める」 #
世の中にある「問題かもしれない」と言われていることのほとんどは, 実はビジネス・研究上で本当に取り組む必要のある問題ではない.
世の中で「問題かもしれない」と言われていることの総数を 100 とすれば, 今, この局面で本当に白黒をはっきりさせるべき問題はせいぜい 2 つか 3 つくらい
「イシュー度」の高い問題を絞り込み, 時間を浮かせることが不可欠
問題・仮説の表現方法 #
疑問文あるいは「複数の変数間にどんな関係があるのか」という疑問を投げかけたものである.
- 問題は 2 つ以上の変数との関係を記述すべき
- 問題は疑問形でかつ曖昧さが残らないように記述されるべき.
ref. 2 章 問題と仮説
- 主語, 動詞で表現する
- WHY よりも WHERE, WHAT, HOW で表現する
- Why という表現には仮説がなく, なにに白黒をはっきりさせるべきかが曖昧.
- 答えをだすという視点で issue を定義する.
- WHERE どちらか, どこを目指すべきか?
- WHAT なにを行うべきか, なにをさけるべきか?
- HOW どう行うべきか? どう進めるべきか?
- 比較表現で表現する
- A か B かという見極めが必要な issue では, A よりもむしろ B という表現にする.
よいイシューの 3 条件 #
- 本質的な選択肢である (その結論によって大きく意味合いが変わる)
- 深い仮説がある
- 答えを出せる
仮説ドリブン #
kind of. 📝論点思考
仮説設定・問題分析 = ストーリーライン×絵コンテ #
イシューの構造を明らかにし, そのなかに潜むサブイシューを洗い出すとともに, それに沿った分析のイメージ作りを行う過程.
- ストーリーライン
- ブログ記事を書くときのアウトラインの見出しツリー.
- 絵コンテ
- グラフ. 分析表現. データ分析結果.
- 比較, 構成, 変化の3つの型.
大まかなアウトラインをつくれば, それを検証するための工数が見積もれる.
仮説設定のスタート地点 #
問題は理想と現実のギャップ. 理想を妨げる要因, 原因のなかで, もっともらしいものを選ぶ. 選んだ仮説は検証によって課題となる.
原因仮説ともいう. (解決策仮説と対比)
仮説を引き出すトリガ #
- xxx を妨げる原因は?
- xxx が xxx である原因は?
- xxx を実現するための要因は? (How)
アウトプットドリブン #
メッセージドリブン #
口コミ・評価 #
仮説について - フリーアジェンダ #
ref. #56 仮説について - YouTube
けっこう当たり前のこと, 基礎みたい.
イシューから始めるの当たり前じゃない?
for Anki #
悩むことと考えることの違いは何ですか? #
悩むとは, 答えがでないという前提を元に考えるフリをすること.
考えるとは, 答えが出るという前提の元に, ロジカルに仮説を組み立てること.
イシューとはなんですか? #
白黒の答えを出すべき問題.
バリューのある仕事とはなんですか? #
イシュー度と解の質の両方が高い仕事.
言い換えると, それを達成したときのインパクトが大きくかつ達成できる可能性が高い仕事.
解の質を上げるよりイシューの質を上げるとはどういうことですか? #
達成できる可能性が難しい問題を努力して達成可能性をあげるよりもそれを達成できたときのリターンが大きい課題を選ぶということ.
References #
安宅さんのブログ #
知的生産のアウトプットの一つがブログ執筆ならばここにある記事はイシュードリブンの具体的な生産物の例かもしれない.
ref. ニューロサイエンスとマーケティングの間
とくに, この記事がバズったことによってイシューからはじめよが生まれた.
ref. 圧倒的に生産性の高い人(サイエンティスト)の研究スタイル - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing
生産性とはここでは研究室の論文の数と質.
アメリカで研究するようになって最も驚いたことの一つは、日本では考えられないほど生産性の高い研究者が存在することだ。
2017年に深堀論文がハーバードビビネスレビューに載ったとか.
ref. DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2017年5月号 [雑誌]